今年の国内メジャー第一戦、ワールドレディスチャンピオンシップ・サロンパスカップで、茂木宏美プロが優勝し、悲願のメジャータイトルを手にしました。

前日の雨から一転、朝からさわやかな晴天が、奇跡を予感させました。
昨年の伊藤園以来となる最終組は、今シーズン絶好調の佐伯三貴プロ、森田理香子プロという賞金ランキング1,2位の二人との組み合わせでした。更には、ロレックス世界ランキング6位のユ・ソヨンプロなどが続いており、国内だけではなく、世界の強豪も参戦しています。
佐伯三貴プロは、2連勝中で、この試合に3連勝がかかっており、正に絶好調です。しかも、茂木プロと同組の時には爆発的なスコアを出すイメージがあります。
森田理香子プロは、藤田寛之プロのキャディとの最強コンビという声も上がっており、前日もノーボギーで、スコアを落とすことは考えにくく、2打差ということを考えると、最終日はかなり、伸ばさなければ勝てない状況でした。更には、昨年のミヤギテレビ杯の嫌な記憶もあります。
そして更に、同じ-5のユ・ソヨンプロは、最も最も怖い存在であり、-3の横峯さくらプロや、-4の藤田幸希プロもこのところ好調で、爆発力を秘めています。
そんな中、朝のレンジで、茂木プロのショットは好調でした。時折、捕まらず右に出る打球はあるものの、出球が良い感じで、打球音もいい音が出てました。そして、100y以内を10y刻みで入念にチェックしており、その距離感も良い感じでした。
[No.1 339Y/Par4]○(1)
フェアウェイセンターから、ピン右奥1mへナイスオンし、おはようバーディー!
早くも、セカンドショットで、朝の練習が実を結びました。
比較的ミドルホールの距離が短いコースということもあり、このあたりを見込んでの練習は、さすがに“知性派ゴルファー”です。
[No.2 404Y/Par4]-(1)
前後半それぞれ2つずつある400Y越えミドルホールの最初の関門で、ティーショットを左のラフに入れますが、サブグリーンからのアプローチをうまく寄せてパーセーブ。第一関門突破です。
[No.3 521Y/Par5]-(2)
左ラフから、フェアウェイセンターに運び、ピンまで約115Y前後のサードショットをピン奥1ピンに付けますが、ラインが難しく、下りのフックラインは、カップ右を通過しパー。
[No.4 418Y/Par4]-(1)
フェアウェイセンター、エッジまで170~180Yの2打目は、グリーン右手前にショート。時折出る捕まえきれないショットでしたが、アプローチをしっかり寄せてパーセーブ。
尚、森田プロ、佐伯プロは共に、ティーショットが安定せず、スコアを伸ばせませんでした。
[No.5 505Y/Par5]○(1)
フェアウェイ右サイドから、フェアウェイセンターにレイアップし、エッジまで約60Y、ピンまでは80Yくらいの距離をピン手前1~1.5mに付けてナイスバーディー!
またも朝の練習が功を奏し、遂にトップの森田理香子プロを捕らえました。この時点で、ソヨンプロを含め、トップが3人となりました。
[No.6 169Y/Par3]-(1)
グリーン手前にショートし、アプローチもピンを1mほどオーバーし、嫌なパットが残りましたが、しっかりとパーセーブ。
一方、ここまで我慢し続けてきた森田プロがこのホールをボギーとし、“外敵”ソヨンvs“韓国キラー”茂木という雰囲気になってきました。
[No.7 392Y/Par4]-(1)
フェアウェイ右端(エッジまで約120Y)からの2打目は、グリーン手前の狭い花道へショートしましたが、ナイスアプローチでパー。
[No.8 178Y/Par3]-(1)
ティーショットが捕まらずにグリーン右のラフへ、ここまでで最大のピンチで、アプローチは、難しいグリーンのラインに流され、大きくオーバーし、3ピン近いパーパットが残りました。
しかし、この上りのスライスラインを読み切りスーパーセーブ!値千金のナイスパーセーブでした。
一つ前のソヨンプロは、このホールをボギーとしており、茂木プロが遂に単独トップに立ちました。「流れが来ている!」そんな雰囲気でした。
[No.9 388Y/Par4]○(1)
前の組のソヨンプロがバーディーを取り、再び並びました。すぐに取り返すところはさすがに世界ランキング6位でした。やはり最も怖い存在です。
しかし、茂木プロはフェアウェイセンターから、ピン手前1ピン以内に付けるナイスショットで、バーディーを取り、再び単独トップに立ちました。
スタート時点では、ダンロップvsブリヂストンという図式でしたが、日韓戦になってきました。そしてこの大会は、ここ3年間は外国人選手が勝っており、茂木プロに日本中の期待がかかってきています。かなり手強い相手ですが、茂木プロは韓国人選手と相性の良く、日韓戦では朴セリプロを破っている唯一の日本人選手です。
[No.10 365Y/Par4]-(2)
ソヨンプロが、2打目をグリーンオーバーした後、アプローチのアドレスに入った瞬間、目に虫が入ったようでした。仕切り直した後のアプローチはショートし、更に難しいラインに3パットし、まさかのダブルボギーとなりました。
茂木プロの方は、フェアウェイ右端から、グリーン右端へオンし、10mくらいありましたが、無難にパーセーブしました。
ソヨンプロとは3打差となりましたが、逆に調子が良くないながらも、佐伯三貴プロがスコアをキープし、2打差で付けています。
[No.11 391Y/Par4]-(2)
左のラフからピン右8~10mくらいに載せますが、バーディーパットはライン違いでパー。
[No.12 512Y/Par5]○(1)
フェアウェイやや右よりから、フェアウェイセンターをキープし、ピンまで100~110Yをピン左やや奥目5mくらいへ....少しショットが左に出始めました。
しかし、下りのスライスラインを読み切ってナイスバーディー!“下りスライスのスペシャリスト”は健在でした。そして、このバーディーで、独走態勢に入ってきました。
[No.13 188Y/Par3]-(2)
ティーショットはピンの左7~8mへ載せますが、カップ左1m弱に外しパー。
[No.14 401Y/Par4]-(1)
ティーショットはバンカーの上を越え、フェアウェイ左側をキープ。
2打目は、ピンの左に落ちるも、グリーンの左へとこぼれます。
アプローチは、微妙な距離が残りましたが、パイスパー。
ただ、ショットが少しずつ左に出始めているのが、少し気になります。
[No.15 163Y/Par3]-(2)
ピン左約5mへ載せますが、バーディーパットは惜しくもカップ左に止まり、パー。
ナントこの日初のタップインでした。前半はバーディー以外のホールでパーオンしたのは1度だけで、微妙なパットをきっちりと沈めています。
[No.16 379Y/Par4]○(1)
フェアウェイ右端から、左側に切られたピンに対し、グリーンセンターへ載せると、フックラインを読み切って“だめ押し”のナイスバーディー!
[No.17 538Y/Par5]-(2)
フェアウェイセンターから、フェアウェイやや右をキープし、3打目を1ピン右へナイスオン。バーディーパットは右に切れて惜しくもパー。
[No.18 418Y/Par4]△(2)
ティーショットが右に出てラフへ。2打目は、花道へレイアップし、アプローチは左1ピンへ。パーパットは、右に切れて初ボギーとしますが、逆転で悲願のメジャータイトルを手にしました。
幼年時代からクラブを握ってきた選手が多い中、高校のクラブ活動終了後にゴルフを始め「遅咲きのナデシコゴルファー」といわれた茂木プロが、遂にメジャータイトルを手にしました。おそらく、現在のレギュラーツアーで戦っているプロの中で、ゴルフを始めた年齢が最も遅い選手ではないでしょうか。
そして、森田プロ・佐伯プロ・柳プロといった飛距離のある選手たちを相手に、飛距離というハンデを乗り越え、ぶっちぎりの強さを見せてくれた茂木プロの戦いぶりに、改めてそのすごさと、ゴルフのおもしろさを感じた試合でした。
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